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戸籍の基礎知識


戸籍の取得費用

全国一律ではない!?

戸籍の取得費用

戸籍謄本等を取得するための交付手数料は、おおむね全国一律です。

以前は戸籍等の発行に必要な交付手数料を、国が政令で一律に定めていたのですが
平成12年以降、各自治体が条例で定めることになりました。
ですが各自治体が以前の交付手数料から変更していないため、おおむね一律となっています。

交付手数料はほぼ以下の表通りですが、請求する市町村役場に問い合わせると正確な金額が
分かります。

内容 交付手数料
戸籍謄本 450円(1通につき)
戸籍抄本 450円(1通につき)
除籍謄本 750円(1通につき)
除籍抄本 750円(1通につき)
改製原戸籍謄本 750円(1通につき)
改製原戸籍抄本 750円(1通につき)

住民票、戸籍の附票に関しては、各自治体でかなり手数料のばらつきがあります。
300~400円といったところが多いようです。

戸籍はどこで取得できる?

本籍のある市町村役場で請求できる

戸籍はどこで取得できる?

戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本等は本籍のある市町村役場で発行してもらえます。
本籍地と現在住んでいる場所が遠い場合、郵送で戸籍を請求することもできます。

それでは、本籍地が分からない場合はどうしたらよいでしょうか?

そもそも本籍地と住所地は同じでない場合が多いです。

生まれた時に本籍地と住所地が同じであっても、引っ越しを繰り返して
転籍届を出さなければ、本籍地は変わりません。そして住所地のみが変わり
本籍地と住所地が違う場所になってしまいます。

こんな場合は今住んでいる場所の市町村役場で住民票を取りましょう。
住民票には本籍地が載っています。
市町村役場の窓口で住民票を取る際は、本籍地を記載した形で出してもらいたいことを伝えて下さい。

相続に必要な戸籍とは

前項の「なぜ相続に戸籍が必要なのか?」で相続に戸籍が必要なのはお分かりいただけましたか?

ではその戸籍はどの範囲まで必要なのか。
抄本でいいのか、謄本がいるのか?いつからいつまでの戸籍が必要なのか?

相続手続きで必要な戸籍とは
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本」です。

通常戸籍は、引っ越しや結婚などがあると新しい戸籍が編成されます。
その際、新戸籍には以前の戸籍に記載されていた事項のうち、一部のみしか書き写されません。
そのため亡くなった人の一番新しい戸籍のみを見ても、すべての事項を確認することはできません。
過去の戸籍に結婚や離婚などの記載がある可能性があるのです。
そのため出生から死亡までの戸籍を確認しなければ、相続人が確定しないということに
なります。

また戸籍抄本(こせきしょうほん)は本人に限定した情報のみしか書かれていません。
相続では被相続人と相続人の関係を知る必要があるため、必ず戸籍謄本(こせきとうほん)が
必要になります。

なぜ相続に戸籍が必要なのか?

相続人を公に証明する資料として必要

なぜ相続に戸籍が必要なのか?

相続が開始すると、相続人(財産を引き継ぐ人)が誰なのか?をはっきりさせなくてはなりません。
その具体的な方法として被相続人(亡くなられた人)の戸籍を取り寄せることが相続手続きの
第一歩です。

相続というと「遺産分割」というイメージが強いですが、
まず遺産を受け取る人が誰なのか?をハッキリさせなくてはいけません。
なぜなら相続人が決まらなければ、誰にどれくらい分けるのか?は決めることができませんよね。

誰が遺産を受け取る相続人なのか?は家族間では分かっていると思いますが、
銀行などの金融機関や役所など、外部の人間に相続人が誰なのか?を証明するために戸籍が
必要となるのです。

被相続人の銀行口座の解約手続きは、戸籍を集めることによって相続人を確定して、
その相続人全員の承諾によってはじめて行うことができます。
金融機関等では相続人を戸籍によって確認し、その全員の承諾があって初めて解約手続きに
応じてくれます。

このように戸籍は相続人が誰なのか?を法的に証明し、外部の人間にも示すための資料として
使用されます。

戸籍の附票とは?

住所の移り変わりが書かれている

戸籍の本籍地と住所は一致しないことも

戸籍の附票(ふひょう)とは、戸籍謄本をもとに、その戸籍に乗っている人の現住所が
確認できるように、住所の移り変わりが記録されたものをいいます。

電子化された戸籍の附票は、戸籍謄本に記載された順番に、戸籍謄本に載っている人ごとに
住所の移り変わりが書かれています。住民票と同じく、現住所を証明する書類になります。

この戸籍の附票も戸籍謄本と同じで、戸籍に載っている本人、直系尊属、直系卑属であれば
本籍地のある市町村役場で取得することができます。

戸籍の分籍とは?

単独で新しい戸籍を作ること

戸籍の分籍とは?

戸籍の分籍とは、現在入っている戸籍から出て、新しく単独の戸籍を作ることです。
分籍するには、 (続きを読む…)

戸籍の転籍とは?

本籍を移転すること

戸籍の転籍とは?

戸籍の転籍とは、戸籍のある場所(本籍地)を移転することです。

戸籍のある本籍地は、日本国内の市町村の中であれば、実際に今住んでいる場所でなくても
好きな場所に定めることができます。
この本籍を移転することを「転籍」と言います。

好きな場所に定められるということは、引っ越しをして現住所の移動とともに変更することも
可能ですし、現住所は変わらないが、本籍地のみを変更することも可能です。
例えば自分の想い入れのある場所に本籍地を残しておきたい、移転したいということもできます。

他の市町村への転籍(管外転籍)は転籍先の市町村で新しい戸籍が作られて
元の市町村の戸籍からは除籍(戸籍から抜ける)され、記載されている全員が除籍されると
除籍簿に綴じられることになります。

実際の転籍(他の市町村へ)の手続きに必要なものは、
・転籍届(用紙は全国共通で窓口にあります)
・現在の戸籍謄本(全部事項証明書)1通
・印鑑(夫婦で届け出る場合は別々の印鑑)
を持参し、転籍元・転籍先どちらの市町村役場でも構いませんので、届け出れば完了します。

本籍地を移転するメリットは、現在住んでいる市町村に本籍地を置くことで
いざ戸籍が必要になった場合、役場に行けばすぐに戸籍を取ることができます。
これが現住所と遠く離れた場所に本籍があると、取りに行くだけでも一苦労です。

デメリットとしては本籍地を現住所が変わるたびに移転(転籍)させると
相続手続きの際、戸籍を取り寄せるのに苦労します。
相続手続きでは出生から亡くなるまでの戸籍が必要になりますので
何度も転籍していると請求先が何ヶ所にもなってしまい面倒です。

・自分の本籍地がどこにあるか分からない
・本籍地が遠くて、取り寄せ方がよく分からない
・相続手続きで戸籍が必要だけど、何度も転籍していて取り寄せが面倒だ

といった方はぜひ当サービスをご利用ください。

戸籍の改製とは?

戸籍を新しい様式に書きかえること

戸籍の改製とは?

戸籍の改製とは、戸籍の様式が法律の改正などによって変更された場合、
以前の古い様式の戸籍を、新しい様式の戸籍に書きかえることです。

主な戸籍の改製をあげますと、
「平成改製」(平成6年の法務省令による改製)
「昭和改製」(昭和32年の法務省令による改製)
などがあります。

様式が変わるだけですので、その内容は変更になりません。
ただし、その時点で除籍(婚姻、死亡など)になって戸籍から抜けている人や
離婚の記載などは、改製後の新しい様式の戸籍には書き写されません。

逆に言いますと、戸籍が改製されると、それ以前に戸籍から抜けたり、離婚などをしていても
新しい様式の戸籍には書き写されないので、現在の戸籍のみを見ても
過去の事実の全ては当然に分かりません。

過去の戸籍の記載事項を確認しようとすれば、戸籍をさかのぼる必要があります。

戸籍の種類

戸籍にはいろんな種類がある

戸籍の種類

戸籍の種類を大きく分けると

①戸籍謄本
②改製原戸籍謄本
③除籍謄本
に分かれます。

①戸籍謄本とは
今現在の戸籍のことをいい、「現戸籍(げんこせき)」とも呼びます。

②改製原戸籍謄本とは
法律の改正により新しい基準の戸籍に作り替えることを改製と言います。
その場合、すべての戸籍を新しい様式に書き換えることになりますが、
戸籍に記載されているすべての事項が書き写されるわけではありません。
過去の事実を残しておくために、新戸籍に作り替えられた後も残される
元の戸籍を「改製原戸籍謄本」と呼びます。
「かいせいげんこせきとうほん」と読みますが、①の現戸籍(げんこせき)と区別するために
「かいせいはらこせきとうほん」と読む場合もあります。

③除籍謄本とは
現戸籍に記載されている人も、結婚や離婚、分籍、死亡などによって戸籍から抜けていきます。
これを除籍と言います。
電子化前の戸籍では結婚や死亡などにより戸籍を抜けた人のところは、×印が書かれます。
現在の電子化後の戸籍では、戸籍を抜けた人名前の下に「除籍」と記されます。

やがて現戸籍内すべての人が除籍されると戸籍簿から外され、「除籍簿」につづられます。

戸籍謄本と戸籍抄本の違い

謄本は戸籍記載事項の全部を、抄本は特定の個人を証明する

謄本と抄本の違い

戸籍にはその記載内容により
謄本(とうほん)と抄本(しょうほん)の2種類に分かれます。
いわゆる戸籍謄本と戸籍抄本です。

戸籍謄本とは、戸籍内にある全ての事項(出生や結婚など)、人が記載されたものです。
現在の電子化された戸籍では「(戸籍)全部事項証明書」と呼ばれます。

それに対し
戸籍抄本とは、戸籍内にある一部の人の事項のみ記載されたものになります。
現在の電子化された戸籍では「(戸籍)一部事項証明書」と呼ばれます。

戸籍を提出する必要がある場合、全ての事項が記載された「戸籍謄本」を提出しておけば心配ありませんが、求められているのは自分の戸籍記載事項のみの場合は、「戸籍抄本」を提出すれば充分です。
特定の人の事項を証明すれば足りる場合には、その人が記載された「戸籍抄本」を取得しましょう。

例えば、
戸籍謄本(全部事項証明書)は
・相続手続き
・本籍地以外に届け出る婚姻届
・転籍届

戸籍抄本(一部事項証明書)は
・パスポート申請

等に必要となります。

戸籍の提出を求められた場合は、謄本が必要なのか?それとも抄本で良いのか?を
確認しましょう!

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